コンサル業界は残業時間が多い?近年の残業事情を徹底解説
「コンサル業界は残業時間が多い?」
「コンサル業界へ転職したいけれど激務についていけるか不安がある」
コンサル業界では他の業界と比較し残業時間が多いですが、働き方改革の影響もあって残業時間は減少している傾向にあります。
また、フレックスタイム制やテレワークの導入など多様な働き方が採用されている傾向にあり、残業時間の減少はもちろん、働きやすい環境が整っています。
企業によって業務形態や方針は異なるので、残業時間を重視する場合は転職前の情報収集が必要です。
本記事では、コンサル業界での残業時間や近年の動向について詳しく解説します。
本記事を読めば、転職の際に必要となるコンサル業界の残業事情が分かり、希望の転職先を見つけられるでしょう。
1.コンサルは残業が多いか
コンサル業界では他の業界と比較して、まだまだ残業時間が多いのが現状です。
以下の業界別の残業時間を比較すると、コンサル業界はその他の業界の倍以上の残業が発生していることが分かります。
業界 | 月別残業時間 |
コンサル | 約40時間 |
運送業 | 約21時間 |
情報通信業 | 約14時間 |
製造業 | 約13時間 |
建設業 | 約13時間 |
研究職 | 約12時間 |
金融業 | 約11時間 |
不動産業 | 約10時間 |
また、月間の所定外労働時間の平均は約11時間となっているので、業界全体の平均と比較してもコンサル業界は多いのが現状です。
コンサル業界はクライアントの経営をサポートするのが主な役割であり、クライアントの要望に応えるには多大な時間が必要になります。
クライアントの予定に合わせたり締め切りが設定されている業務を行う場合、時間外に業務を行ったり休日出勤しなければならないケースもあります。
ただし、コンサル業界も働き方改革の影響を受けており、残業時間は減少している傾向にあります。
各企業は残業時間を減らしつつ成果を出せるよう、様々な工夫をしているので、転職する際は情報収集することが大切です。
コンサル業界の特徴や近年の残業時間の傾向などについて把握した上で、残業時間について分析し、転職先を決めることが重要です。
2.コンサル業界で残業が発生する理由
コンサル業界は他の業界よりも残業時間が長い傾向にありますが、残業が発生しやすいことには理由があります。
コンサルは、クライアントの経営に関与するという重要な役割を担うので、資料作成やミーティング、スキルの習得や情報収集などに膨大な時間がかかります。
コンサル業界で残業時間が発生する理由について把握することで、スキルの習得やスケジュール管理などの対策をし、残業時間を減らすことにもつながるでしょう。
コンサル業界で残業が発生する理由について解説します。
- 資料作成に時間がかかることが多い
- クライアントとのミーティングに時間がかかる
- 必要なスキルを習得するのに時間がかかる
(1)資料作成に時間がかかることが多い
コンサル業界では資料作成に時間がかかり、残業の原因になっています。
コンサルでは、クライアントとのやり取りなどで必要となる資料作成をする機会が多く、外部への資料ということもあり、クオリティを求められます。
たとえば、クライアント企業の依頼内容ごとに、プロジェクト内容や調査報告などの資料を数十枚、多いときでは数百枚作成するケースがあります。
とくに、プロジェクトを遂行する際の戦略提案や中間報告、最終報告など、プロジェクトの成功に直結する資料は、入念に準備する必要があるでしょう。
複数人での添削や上司からの修正依頼などに対応していると、多くの作業が発生することもあります。
資料作成の負担を減らすには、パワーポイントなどの資料作成スキルやプレゼンテーションスキルなどを身につけておくことが有用です。
(2)クライアントとのミーティングに時間がかかる
コンサル業界では、クライアントとのミーティングが複数回定期的に行われることも多く、また内容によっては一回の打ち合わせが長時間にわたることもあります。
近年は、オンラインミーティングも積極的に行われており、比較的予定の調整をしやすい環境となっていますが、打ち合わせに時間がかかったり複数回行われることで、結果的に残業時間の延長につながるケースもあります。
また、ミーティングを開催する際は資料準備やメールのやり取りなどの準備時間もかかるので、精神的にも負担を感じるケースが多いでしょう。
コンサル業界の残業時間は、クライアントミーティングやその準備によって長くなってしまう傾向にあります。
(3)必要なスキルを習得するのに時間がかかる
コンサル業界では、業務内容の難易度が高いので、必要なスキルを習得するのに時間がかかります。
コンサルは、プロジェクトを組んで業務を遂行するケースが多く、担当する案件も様々です。
プロジェクトが完了したら新たなプロジェクトに関与することになるので、案件ごとに必要な知識やスキルを常に習得する必要があります。
たとえば、業界関連のニュースをチェックしたり、業界紙をチェックするなどして常にアンテナを張り、情報収集をすることを求められます。
業界に対して深く理解しなければ、クライアントと対等な立場でやり取りすることが難しいため、高いレベルのインプットが必要になるでしょう。
また、グローバル案件を積極的に取り扱っている企業では、語学力の習得も重要であり、語学研修を設定している企業もあります。
コンサル業界では、インプットする必要があるスキルや情報のレベルが高く、時間がかかるため、結果的に残業時間が増えてしまう傾向があります。
3.コンサル業界では残業時間は短縮傾向にある
コンサル業界は残業時間が多いイメージを持つ方が多いですが、残業時間は短縮傾向にあります。
残業時間減少の背景には、働き方改革で残業時間の上限が設定されていることが挙げられます。
また、残業時間の減少はもちろん、多様な働き方に対応できる企業が増え、働きやすい環境が整いつつあるのが特徴です。
コンサル業界での残業時間に関する傾向について解説します。
- 働き方改革の影響を受けている
- 多様な働き方に対応できる企業が増えている
(1)働き方改革の影響を受けている
コンサル業界は働き方改革の影響を受けており、残業時間を短縮する動きがあります。
たとえば、以下のような対策を行っている企業が多いです。
- 18時以降のミーティングを禁止するなど時間の制約を設ける
- 休暇の際の業務関連の連絡を禁止する
- ノー残業デーを設ける
- 適宜残業時間を確認し基準を超えた場合に介入する
実際に、各企業は以下のように残業時間を減らす取り組みを行っており、適性な労働時間内で成果を出すことに尽力しています。
アクセンチュア |
|
PwCコンサルティング |
|
アビームコンサルティング |
|
デロイトトーマツコンサルティング |
|
なお、かつては能力の高い人が少数精鋭で長時間労働を行っていくスタンスとなっていた企業が多いですが、現在は、チームを組んでそれぞれが力を発揮することで成果を出すという考えに変わりつつあります。
コンサル業界では、働き方改革の影響で残業時間を減らす取り組みが積極的に行われていることを把握しておきましょう。
(2)多様な働き方に対応できる企業が増えている
過去のコンサル業界は少数精鋭体制で少数のメンバーで長時間労働している企業もありましたが、現在では働き方改革の影響もあり、多様な働き方に対応できる企業が増えています。
たとえば、テレワークやフレックス制を導入するなど、場所や時間を選ばずに働ける環境を整えている企業もあります。
また、柔軟に働けるようリモートワークを採用し、出勤時間を削減して効率アップを目指すなどの対策が取られているのも特徴です。
コンサル業界は、必ずしも決められた時間に会社内で業務を行わなくても、時間や場所の融通が利きやすい業界と言われています。
4.コンサルの残業事情をあらかじめ把握することが重要
コンサル業界へ転職する際は、プライベートと無理なく両立できるよう、あらかじめ残業時間に関する情報収集をしておくことが大切です。
とくに、プライベートの時間を確保したいという希望がある場合、残業時間を意識せずに転職すると、転職先のミスマッチにつながります。
コンサルの残業時間の確認方法は複数あるので、様々な切り口からアプローチすることが大切です。
コンサルの残業時間の確認方法について解説します。
- 実際に働いている人から情報収集する
- 見込み残業代を確認する
- 転職エージェントを利用する
(1)実際に働いている人から情報収集する
コンサル業界へ転職する際、残業時間を把握したいのであれば、実際に働いている人から情報収集することが大切です。
コンサル業界全体の残業時間の傾向を把握するには、コンサル業界で働いている人からの情報が参考になります。
また、転職したい企業が決まっている場合は、職場見学をするなどアプローチし、生の情報を収集することで、あらかじめ残業時間に関する情報を入手できるでしょう。
コンサル業界で勤務する際、残業時間はプライベートとの両立に直結するので、ワークライフバランスを考えて転職を希望する人にとっては非常に重要です。
転職先を決める際に必要な要素となるので、転職後に後悔しないよう、入念な情報収集をしておきましょう。
(2)見込み残業代を確認する
コンサル企業の残業代を把握する際、見込み残業代を確認するのが有用です。
コンサル業界では、企業によっては見込み残業代を設定しているケースがあり、その時間が残業時間の目安となります。
たとえば、見込み残業代として固定で5万円が設定されている場合、コンスタントに残業が40時間程度発生すると考えられます。
なお、残業代に関しては、見込み残業時間を超えた場合の対応についても確認しておくことが大切です。
実際に残業時間について明言している企業はあまり多くはないので、見込み残業代などの情報から推測するのも手段の1つと言えるでしょう。
(3)転職エージェントを利用する
コンサル業界への転職には転職エージェントを利用するのがおすすめです。
コンサル業界へ転職する際気になるのは残業時間ですが、実際は、企業側に聞きにくいと感じる方もいるでしょう。
残業時間について企業に質問すると、「モチベーションが低いと思われるのでは」と転職で不利になることを懸念する方もいます。
転職エージェントを利用すれば、直接聞きにくい質問であっても情報収集を依頼できるので便利です。
直接企業側に聞くよりも転職エージェントを挟んで情報収集する方が、企業からの印象に影響しないのが魅力です。
また、残業時間のみならず、業務内容や職場の雰囲気など様々な情報収集をサポートしてもらえます。
コンサルへの転職活動では、転職エージェントの利用が有用であることを把握しておきましょう。
また、転職エージェントには様々な種類がありますが、コンサル業界に転職する際にはコンサル業界を専門に扱っているハイクラス転職エージェントなどを活用するのがおすすめです。
まとめ
コンサル業界では、実際にその他の業界よりも残業時間が多いことは事実ですが、働き方改革の影響もあり残業時間は減少傾向にあります。
また、残業時間の減少はもちろん、業務効率アップを目指しフレックスタイム制や在宅ワークなど多様な働き方を採用する企業も増えており、働きやすい環境が整いつつあると言われています。
企業によって残業時間を減らす取り組みや業務形態は異なるので、あらかじめ情報収集しておくことが大切です。
なお、コンサル業界で残業時間が長くなりやすいことに関しては、資料作成やミーティング時間の確保、スキル習得などの理由があるので、業務上工夫することで、負担を軽減できるケースもあります。
コンサル業界の残業事情について把握し、自身に適したコンサル企業を見つけ、理想の転職を実現しましょう。
関連記事