FASへの転職に資格は必要?オススメの資格や役立つスキルを紹介!
「FASへ転職したいが、資格は必要なのだろうか?」
「FASへ転職するためにはどのような経験が求められるのだろう?」
FASへの転職に関して、このようにお悩みではないでしょうか?
FASへ転職するのに必要な資格や経験はありませんが、持っていることで転職やその後のキャリアで有利に働くものはたくさんあります。
ここでは、そのようなFASに関する資格と経験について3つのポイントで紹介します。
この記事を読めば、FASの資格についてバッチリ抑えられます!
また、FASの業務内容や転職事情など、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.FASへの転職に必須となる資格はない
FASへ転職するために必ず求められる資格はありません。
FASは、財務に関する助言を行うことを中心の業務としているコンサルティングファームのことです。
M&Aに関する財政面での戦略立案や、企業価値の算定などを通してアドバイザリーサービスを提供することが主要な業務です。
コンサルティング業務が中心となるため、FASへ転職するために必要な資格があるわけではありません。
しかし、高いスキルを求められるコンサルティングファームに属し、かつ財務に関する突出した知識や経験が必要なるFASへの転職をするにあたって、持っていれば有利になる資格や経験は数多くあります。
以下では、そのような資格や経験についてご紹介します。
2.FASへの転職で有利になる資格
ここでは、FASへの転職で有利になる資格を順にご紹介します。
- 公認会計士・税理士の資格
- USCPA
- 簿記2級以上
- TOEIC
それでは順に見ていきましょう。
(1)公認会計士・税理士の資格
公認会計士・税理士の資格を持っているとFASへの転職は非常に有利に進めることができます。
これらの資格を持っていることで、FASの主要業務である財務業務についてプロフェッショナルであることが証明できるでしょう。
FASで行う業務として、投資対象となる会社の実態を確認するデューデリジェンスや企業の価値を評価するバリュエーション、M&Aの買収元と買収先企業を統合するPMIなどの業務が挙げられます。
これらの業務の内容は公認会計士や、税理士の資格対策の範囲と重複する部分が多くあり、FASで働き始めた後もキャリアを円滑に進めることができます。
公認会計士・税理士の資格は取得に3~4年かかることも珍しくなく、FASで働くためだけに取得するのはコストパフォーマンスが高いとは言い難いです。
しかし、取得が非常に困難である分、一度取得すればその後のキャリアで非常に有効であることも間違いありません。
今後のキャリアで公認会計士・税理士の資格を活かしたプランを検討している方や、既にこれらの資格を有している方には、資格を活かしたFASへの転職をお勧めします。
公認会計士の概要は、以下のとおりです。
受験資格 | 年齢・性別ともに制限なし |
試験形式 | 1段階2回 → 短答式試験(4科目、年2回実施)と論文式試験(5科目、年1回実施) |
合格者数(2021年) | 1,360人 |
必要な勉強時間 | 約3,000時間 |
税理士の概要は、以下のとおりです。
受験資格 | 法律に関する学識・資格・職歴について定められたもののいずれかを有する |
試験形式 | 簿記論・財務諸表論が必須、税法9科目から3科目を選択 |
合格者数(2021年) | 5,139人 |
必要な勉強時間 | 約3,000時間 |
(2)USCPA
USCPAもFASへの転職を非常に有利に進める上で役立つ資格の1つです。
USCPAとは、アメリカ各州に認定を受けた公認会計士資格のことです。
日本で認められているわけではないのでUSCPA単体では日本で公認会計士を名乗ることはできませんが、グローバルな基準で会計に精通していることや英語で会計士資格を取得できるほど専門性の高い語学力を有していることの証明となります。
目安の勉強時間は公認会計士の半分の1500時間とされており、合格率も公認会計士の約2倍の30%となっていますので、語学のハードルを乗り越えることができた方にとっては公認会計士よりも比較的手が届きやすい資格となっています。
USCPAの概要は、以下のとおりです。
受験資格 | ビジネスと会計の学位・単位 |
試験形式 | 3種類のコンピュータ形式試験 |
合格率 | 約30% |
必要な勉強時間 | 約1,500時間 |
(3)簿記2級以上
簿記は、企業の経営成績と財政状況を明らかにする記録・決算の能力を証明する資格です。
企業の財政に関する能力はFASで業務を行うにあたって必ず求められる能力ですので、資格を持っているか否かにかかわらず、最低でも簿記2級程度の知識と能力は必要だと言えるでしょう。
簿記の取得を経て基礎的な知識を身につけた後に公認会計士や税理士といったより上位の資格を目指す方も多いので、財務系の資格を何も持っていないという方は導入としての取得もお勧めします。
目安勉強時間も200〜300時間と、上に挙げた3つの資格と比べるとハードルはかなり下がるので、FASへの転職を検討する方には是非お勧めしたい資格です。
簿記2級の概要は、以下のとおりです。
受験資格 | 年齢・性別ともに制限なし |
試験形式 | 商業簿記60点、工業簿記40点 計100点 |
合格者数(2021年) | 約15,000人(3回の合計) |
必要な勉強時間 | 約200時間 |
(4)TOEIC
FASのクライアントが海外で事業を行っていたり、海外現地の企業と取引を行なっている場合、そのような企業との英語でのコミュニケーションが求められることがあります。
特に、現在はボーダーレスの案件の増加に伴ってそういった機会は増えているので、英語力を必須としているFASが多くなりつつあります。
例えば、BIG4系FASの1つであるKPMG FASではTOEICで800点以上のスコアを有していることが必須となります。
TOEICのスコアを既に取得している方も少なくないとは思いますが、あまりに古いスコアでは活用が難しいので、取得から時間が経っている場合には改めて勉強し直した上で再度の受験をおすすめします。
3.FASへの転職で評価される経験・スキル
ここまではFASへの転職に有利になる資格について紹介しましたが、資格という形でなくても、FASに転職する際に評価されやすい点は他にもいろいろあります。
ここでは、そういったFASへの転職で評価される経験・スキルをご紹介します。
- 金融機関・監査法人での勤務経験、経理財務での実務経験
- コンサルティングのスキル
- M&Aに関する知識・経験
それでは順に見ていきましょう。
(1)金融機関・監査法人での勤務経験、経理財務での実務経験
金融機関・監査法人での勤務経験や経理財務での実務経験がある方は、財務業務に関するスキルを有しているとして評価を受けることができます。
金融機関では法人に対する営業を行うことがあるので、そのような営業についての実績があればより高い評価に繋がります。
監査法人は同グループ内でFASと人材の行き来があるほど業務の内容が密接に関わっているので、監査法人での勤務経験はFASへの転職に関して非常に有利に働きます。
このように、金融機関・監査法人や経理財務での実務経験を有している方はFASへの転職で有利になるといえるでしょう。
(2)コンサルティングとしてのスキル
FASはコンサルティング業務があるため、コンサルティングに関する以下のようなスキルがあると、評価を受けることができます。
・論理的思考力
クライアントの課題をしっかりと把握し、解決へと導く合理的な手法を考案し、提言するする能力です。
・コミュニケーション能力
クライアントとの会話から、クライアントが抱える悩みや、それに対して求めているアドバイザリー・課題を汲み取る能力です。
・プレゼンテーション能力
課題の解決策をクライアントが導入したくなるようにプレゼンする能力です。それに伴い、わかりやすい資料を作成したり、業界についてリサーチ・分析する能力も重視されます。
上に挙げたようなスキルは転職の際に非常に重視されるので、コンサルティングファーム出身者でなくても、可能ならば身につけておくと良いでしょう。
(3)M&Aに関する知識・経験
FASではM&A業界での経験や知識を持っていると転職の際に評価を受けることができます。
上にも述べたようなデューデリジェンス・PMI・バリュエーションなどのFASで主要となる業務は、どれもM&Aに関わるものです。
FASへの面接の際にも、
「デューデリジェンスとは何か説明して下さい」
「PMIの手順を教えて下さい」
など、M&Aについての基礎的な知識を有しているか確認することを目的地とした質問が行われることもあるようです。
まとめ
今回の記事では、FASへの転職や、FASへ転職後のキャリアアップに役立つ資格・経験についてご紹介しました。
転職に役立ちそうな資格は沢山あり、選ぶのが大変だと思います。
ご自身の既に持っている資格との相性や、将来のキャリアプラン、資格取得にかけることのできる時間などから、適切な資格を選択して取得を目指すことが重要です。
あなたの転職と、その後のキャリアが良いものになるように記事を活用して頂けると幸いです。
FASへの転職に向け、転職事情や転職成功のコツなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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