Big4FASのランキング調査!海外案件に挑戦できるFASはどこ?
「Big4系FASのどれが自分に合っているか分からない」
「Big4系FASそれぞれの特徴が知りたい!」
このようにお悩みではないですか?
実はBig4系FASは得意とする分野や案件がそれぞれ異なっています!
ここでは、FASの代表とも言えるBig4FASに分類される、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社、KPMG FAS、PwCアドバイザリー合同会社、EYファイナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社の4社を3つのランキングで比較します。
この記事を読めば、Big4系FASの特徴が丸わかりです!
また、FASの転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.大型案件に関われるFASランキング
ここでは、Big4に含まれるFAS4社を、「大型案件に関われる」という基準でランキングにしています。
ランキングのもとになるのは、純負債を除いた取引金額のことを指す「ランクバリュー」という値です。
ランクバリューを見れば、各社がその年どの程度の金額の取引を行ったかがわかります!
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
- KPMG FAS
- PwCアドバイザリー合同会社
- EYファイナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
それでは順に見ていきましょう。
(1)デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社
1位は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社です!
同社は、ここ数年常に首位近くのランクバリューを上げています。
2019年、2020年は4社の中で1位、2021年は2位でした。
特に、2020年はNTTに関するBoTに関与したことで6兆円を超えるランクバリューで、Big4の他3社に対して3倍以上となる差をつけての圧倒的な首位でした。
2020年に大きな収益を上げたことで、比較的小さな案件で確実に利益を出すよりも、大きな案件に注力することが出来るようになり、今後も巨大な案件に挑戦できる可能性は大きいです。
(2)KPMG FAS
2位は、KPMG FASです。
同社の直近3年のランクバリューランキングは、2019年が2位、2020年が3位、2021年が1位となっています。
他3社と比較すると、年別の増減が穏やかで、安定した戦略をとっていることがわかります。
KPMG FASでは、より高い確率で大型案件に挑戦できる言えるでしょう。
(3)PwCアドバイザリー合同会社
3位はPwCアドバイザリー合同会社です。
ランクバリューのランキングは、2019年に3位、2020年に2位、2021年に3位と芳しくないように思えます。
しかし、デロイトトーマツが6兆円のランクバリューを記録し1位をとった2020年には他2社を抑えて1兆円のランクバリューを記録するなど、著しい成長が見てとれます。
今後更なる成長を遂げ、より大きな案件に着手できることが期待されます。
(4)EYストラテジーアンドコンサルティング株式会社
4位はEYストラテジーアンドコンサルティング株式会社です。
ランキングの対象となった3年間では、すべてランクバリューが最下位でした。
しかし、EYの従業員数は1位であるデロイトトーマツの約3分の1と言われており、全体としての事業規模は比較的小さいものの、責任ある仕事を任される可能性はより高いとも言えるでしょう。
比較的小規模であっても、幅広い案件に着手できたり、より高いポジションで業務を行うことを希望する方にはEYがおすすめできます。
2.海外案件に挑戦できるランキング
ここでは、海外案件に挑戦できるFASランキングを紹介しています。
国際的なM&Aが増加傾向にあり、自分に合ったFASを検討する上で、海外案件の機会を持てるかは非常に重要な基準となりつつあります。
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
- KPMG FAS
- PwCアドバイザリー合同会社
- EYファイナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
それでは順番に見ていきます。
(1)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
最も海外案件に挑戦できるFASは、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。
グループ全体での社員数は約150カ国に20万人の規模を誇っており、クロスボーダーの案件に柔軟に対応することができます。
デロイトグループの強みであるIT技術を駆使し、グループ内のグローバルなコミュニケーションが迅速に行えることも、海外案件についての強みを支えています。
これによって、クライアントの現地企業とのコミュニケーションをフォローしたり、海外出身の従業員を関西のFASに迎え入れられるなど、流動的な人材を生かしたグローバル戦略も特徴です。
(2)KPMG FAS
海外事業に挑戦できるFASの2位は、KPMG FASです。
KPMG FASでは、近年増加傾向にある海外案件に対応しており、海外市場への参入支援や、海外への投資支援プロジェクトの実績が豊富にあります。
それに伴い、海外法人の不正調査も、グループ内のグローバルネットワークを通じて提供しています。
KPMGでは、今後も増加が見込まれるグローバルな案件に対して、対応の地盤が確立していると言えます。
(3)PwCアドバイザリー合同会社
3位はPwCアドバイザリー合同会社です。
同社では、PwCネットワークと呼ばれる世界中の国々で運営されている独立したファームの集合体を形成しており、各国の知見やスキル・資源を共有することができます。
特に、欧州・中東・アフリカに全体の半数近くである12万人のメンバーを擁しており、米国やアジアに偏らないグローバルな展開を進められていることがわかります。
このように、地域に依存しない人材展開を行えていることがPwCの強みであると言えます。
(4)EYファイナンシャル・サービス・アドバイザリー合同会社
4位はEYストラテジー・アンドコンサルティング株式会社です。
4位と言えど、IoTやブロックチェーン技術を駆使し、グローバルな連携を可能にしています。
EYでは、デジタルテクノロジーにおいて中核を担うERPとデジタルエッジを一体として組織運用しており、グローバルな連携や展開するサービスの質の向上を目指しています。
このようなテクノロジーの展開によって、現地の拠点のパフォーマンスを維持しているわけですね。
3.ワークライフバランスを維持しやすいランキング
多忙な印象のあるFASでの業務ですが、ワークライフバランスは実際どのように維持出来ているのでしょうか?
ワークライフバランスは、転職先を選択する上で非常に重要な基準の1つですね。
平均残業時間や、その他福利厚生から、ワークライフバランスを維持しやすいFASランキングを作成しました。
それでは順に見ていきましょう。
- KPMG FAS
- EYファイナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
- PwCアドバイザリー合同会社
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
(1)KPMG FAS
1位は、KPMG FASです。
平均残業時間は20時間程度と、他のBIG4FASと比較すると最も少ないです。
また、ワークライフマネジメントに非常に注力しており、休暇中のeラーニングや、フレキシブル・ワーク・プログラムの導入など、充実した福利厚生が多数あります。
休職中にも自己成長の環境を整えてくれるKPMGでは、安心して福利厚生を活用することができますね。
(2)EY ファイナンシャル・サービス・アドバイザリー株式会社
2位はEYファイナンシャル・アドバイザリー株式会社です。
平均残業時間30時間程度と平均程度ですが、育児支援・介護支援制度の充実や、交流の場としてのクラブ活動の整備など、福利厚生に力を入れています。
育児・介護等のプライベートな悩みに対するフォローアップがしっかりしていると、しっかりとオンオフを切り替えてFASの業務にあたることが出来ます。
プライベートでの時間を充実させて、より高いパフォーマンスを発揮しようというEYの意図が伝わってきますね。
(3)PwCアドバイザリー合同会社
3位はPwCアドバイザリー合同会社で、平均残業時間は47.1時間です。
同社では時間・場所に捉われずに能力を発揮することを目的としてコアなしフレックス制度を導入したり、金曜午後を研鑽活動に充てるFIA制度を導入したりなど、社員のポテンシャル発揮や成長の機会を設ける制度設計に注力しています。
このように、よりレベルの高い自己成長を実現できる福利厚生の仕組みづくりはPwCの強みです。
(4)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
4位はデロイト トーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。
平均残業時間は61.5時間とBig4の中でも突出しており、高い売り上げを実現する従業員の努力が伺えます。
ワークライフバランスの実現のためには、スケジュール調整等を含めた自身での工夫が必須と言えるでしょう。
例えば、閑散期に集中して休暇を取り、リフレッシュの機会を持つなど、様々なやり方でワークライフバランスの実現は可能です。
また、FASのその他の代表企業のほか、転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらもご覧ください。
4.FASへの転職で求められるスキル・経験
ここでは、FASへの転職で求められるスキルや経験について解説します。
- 英語力
- 公認会計士・税理士資格
- コンサルティングファームでの勤務経験
- メガバンク・保険会社での勤務経験
(1)英語力
FASへ転職する際、高い英語力が求められます。
FASでは、クライアントファーストでの業務が基本となっており、業務にはクライアントの取引先とのコミュニケーションが含まれます。
そのため、国際的に事業を行っている企業がクライアントとなる場合、現地企業とのやりとりが必要となる場合があり、多くのFASでは英語力を必須としています。
必要とされる英語力の目安はTOEICで700〜800点以上です。
(2)公認会計士・税理士資格保有者
公認会計士・税理士の資格は財務に関するコンサルティングを業務の中心とするFASとの親和性が非常に高く、転職を有利に進めることのできる要素の1つです。
FASへの転職では、財務表の読み取りなど、実務に必要な能力を有しているか問われるような質問をされることがあります。
Big4系の監査法人で公認会計士として業務に当たっていた人が、異動扱いで同じファームのFASに挑戦するケースも少なくありません。
公認会計士・税理士の資格を持っている方は、このような財務業務というハードルを既に超えているので、非常に有利に転職を進めることが出来ます。
(3)コンサルティングファームでの勤務経験
FASでは、財務業務を中心としたコンサルティングを行うので、戦略コンサルティングや、総合コンサルティングでの経験は非常に有用です。
コンサルティングのスキルを地盤に、FASとして必要なDDやPMI、アドバイザリーなどの業務の経験を積むことで転職することができます。
コンサルティングの経験と、FASに必須である高いレベルの財務業務が組み合わされば、全体として非常にスキルの高い人材となれるに違いありません。
コンサルティングのスキルを有している方は、是非FASへの転職を検討してみてください。
(4)メガバンク、保険会社での勤務経験
メガバンク・保険会社での経験も、FASへ転職する上で有利に働きます。
金融に関する専門的なスキル、経験を有していると高い評価を受けることができます。
また、FASでも新規顧客の獲得を目標とした法人対象の営業を行うことがあります。
メガバンクや保険会社でも法人に対する営業を行うことが珍しくないので、そのような営業の実績もFASへの転職において活用することが可能です。
まとめ
今回の記事では、様々な基準からBig4FASの比較を行いました。
それぞれのFASには異なった強みがあることが分かっていただけたと思います。
気になった方は更に細かく調べて、よりご自身に合った転職先を見つけて下さい!
また、FASへの転職成功に向けてのコツや未経験者の転職についてなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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