FASの平均年収はどれくらい?年収が高い理由もあわせてご紹介
「FASへ転職した場合、どのくらい給料が上がるんだろう」
「FASの年収は日本のトップクラスだと聞いたが、本当だろうか」
このように、漠然と「FASは給料が高い」と認識しているが実際にどれくらいなのかよく知らない、という方は多いのではないでしょうか。
FASは、日本の職業の中でもトップレベルの年収を得られる職業といえます。
ただしその背景には、大きい責任やプレッシャーを抱えながら、高い専門性や問題解決の能力を発揮し、顧客に付加価値の高いサービスの提供をしているという理由があります。
本記事では、FASの平均年収はどのくらいか、またなぜFASの平均年収が高いのかなどをご紹介します。
FASへの転職に興味がある方は、ぜひ転職先選びの参考にしてください。
また年収事情のほか、FASの転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.FASの平均年収
FASは、大きく分けると、世界四大会計事務所のグループ会社であるBig4系と、そのようなグループに属さない独立系の2種類に分けられます。
- Big4系FASの平均年収
- 独立系FASの平均年収
それぞれの平均年収について、詳しく説明していきます。
(1)Big4系FASの平均年収
Big4系は、FASの中でも知名度や事業規模ともにトップクラスを誇ります。
各社の平均年収はおよそ1,000万円がベースになっており、非常に高い水準です。
- KPMGフィナンシャルアドバイザリーサービス:約1,200万円
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング:約1,000~1,200万円
- デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー:約1,000~1,100万円
- PwCアドバイザリー:約900~1,000万円
もちろん職位によって差はありますが、一般的に20代での転職で就くことの多い「アソシエイト」職であっても、平均年収は約700~900万円となっています。
いかに初めから求められるレベルが高いかが示されているでしょう。
(2)独立系FASの平均年収
独立系FASと呼ばれる中堅規模のファームも、日本には多数存在しています。
一般的に独立系FASは、M&Aや事業再生など特定の分野に特化し、高い専門性を発揮していることが特徴です。
少数精鋭で、ミドルマーケットをターゲットとしていることが多いですが、一人当たりの利益率が非常に高く、平均年収が約2000万円以上とBig4系を超えるファームもあります。
代表的な独立系FASの平均年収は、以下のとおりです。
- GCA FAS:約2,000万円~
- フロンティアマネジメント:約1,200~1,400万円
- 山田コンサルティング:約800万円
ファームの規模や事業内容により異なりますが、全体として年収が高い水準にあることは間違いないでしょう。
2.他業種とFASの年収の違い
FASの平均年収は、絶対値として高いことをご紹介しました。
しかし、他の業種と比較したときに、どのようなレベルにあるのでしょうか。
ここでは、他業種とFASの年収の違いと、FAS同様に年収が1,000万円を超える業界をご紹介します。
- 一般的な職業とFASの年収の違い
- FAS同様に年収が高い業界
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)一般的な職業とFASの年収の違い
一般的な職業として、以下の4業種をあげて、平均年収を比較してみます。
- 製造業:約500万円
- 建設業:約510万円
- 情報通信業:約610万円
- 卸売・小売業:約370万円
※出典:厚生労働省『令和2年分民間給与実態統計調査』
上記にあげた4種は、日本でも就労者が比較的多い業種ですが、平均年収はFASのおよそ2分の1にとどまっています。
(2)FAS同様に年収の高い業界
FAS同様に年収が1,000万を超える業界は他にどのようなものがあるのでしょうか。
例をあげると、以下のとおりです。
- PEファンド:約800~2,000万円
- 投資銀行:約900~1,300万円
- 外資系コンサル:約900~1,800万円
- 総合商社:約1,100~1,400万円
- デベロッパー:約1,000~1,500万円
- 大手テレビ局:約1,300~1,700万円
- 大手広告代理店:約700~1,200万円
世間的に年収が高いと言われる職業がずらっと並んでいる印象です。
特にPEファンドや投資銀行、外資系コンサル、総合商社などは、FASからの転職先としても名のあがる業種です。
なお、これらの業種のなかでも、企業や職位によって年収にはばらつきがあるので注意しましょう。
FASの代表企業についてなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
3.FASの年収が高い理由
ではなぜ、FASは平均年収が高いのでしょうか。
その理由を大きく分けて3つご説明します。
- 難度の高い知識や思考力を必要とするため
- 手掛ける業務の専門性が高いため
- 業務周辺で動く金額が大きいため
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)難度の高い知識や思考力を必要とするため
FASの主な業務とは、クライアント企業の会計・財務に関するコンサルティングです。
主な業務としては以下のとおりとなります。
- M&A関連(M&A戦略の立案、買収先の企業の選定など)
- 企業・事業再生(経営不振の企業や不採算事業の立て直しなど)
- バリュエーション(企業価値の評価など)
- PMI(M&A後の企業統合の支援)
- フォレンジック(不正会計の予防・調査など)
このように、ファイナンシャルアドバイザーは1つの企業を左右するような案件に関わります。
そのため、会計・財務の深い知識はもとより、高い問題解決能力やプレッシャーに負けない精神力が求められるのです。
その対価としての高収入であることを理解しておきましょう。
(2)手掛ける業務の専門性が高いため
FASには、公認会計士や税理士などの国家資格を有した人材が多数在籍しています。
なぜなら、手掛ける業務の専門性が高いゆえに、汎用的なビジネススキルに加えて、業界や経済についての幅広く深い知識が必要とされるためです。
たとえば、企業の資産状況・負債状況を精査する財務デューデリジェンスや、企業価値を評価するバリュエーションなどは、監査法人で公認会計士が行っている仕事でもあります。
監査の仕事にコンサルティング要素が加えたような高難度の業務内容だからこその高収入といえるでしょう。
(3)業務周辺で動く金額が大きいため
FASは一会社の売り買いや事業全体の立て直しなど、ビジネスの規模や社会的影響が大きい業務に関わります。
そのため業務周辺で動かす金額が大きいことも、平均年収が高い理由の1つといえるでしょう。
一般的にFASは、M&Aなどの案件が成立した場合に、クライアントから取引額の数%を「成功報酬」として受け取ります。
大きな案件であるほど報酬額も高く、他業種のように設備や在庫に費用をかけることがないため、会社の商品である「人材」に還元できるのです。
4.FASへの転職には転職エージェントの利用がおすすめ
お伝えしてきたように、FASは高い年収を得られる魅力的な職業です。
それゆえに、求められるスキルや経験は非常にレベルが高く、転職の難易度も高くなっています。
ただし、あなたがFAS業界の求める人材に当てはまっているか、どのFASとマッチングしやすいかなどを自力で判断することは困難です。
FASへ転職したい、転職先の候補として考えたい場合は、ぜひ業界に精通した転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントを活用するメリットとしては、以下のとおりです。
- 一般には公開されていない非公開求人を入手できる
- 最新の転職市場についてや企業の採用動向をキャッチできる
- 企業の内部事情について知れる
転職エージェントのサービスは基本的にすべて無料なので、一度情報の収集も兼ねて相談してみることをおすすめします。
まとめ
FASは、高い視点から社会や経済を見渡すことができ、クライアントへの貢献度も非常に高い仕事です。
ハードな場面も多い職業ですが、その対価として大きなやりがいや高い報酬を得られます。
社会的影響の大きい仕事をして自分のスキルや能力をさらに磨きたい、という方にはぴったりの環境でしょう。
FASの仕事内容や報酬に魅力を感じたら、ぜひさらなる成長を目指して転職を成功させてください。
FASへの転職成功に向け、業務内容や活かせるスキル、転職成功のコツなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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