【FAS年収ランキング】企業別・ポジション別の金額を紹介!
「FASは年収が高いと聞くけれど、実際はどのくらいなんだろう」
「FASへの転職を考えているが、ファームによってどう違うのか知りたい」
このように、FASは年収が一体どのくらいなのかを知らない方は多いでしょう。
FASが他業種と比べて給与水準が高いことは間違いなく、大手ファームであれば平均年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
ただし、Big4系・独立系などのファーム、またはポジションなどにより年収は大きく異なります。
本記事では、Big4系および独立系FASの年収ランキングを中心にご紹介します。
FASへの転職を目指す方は、ぜひここで年収のレベルを掴み、転職先の選定に役立ててください。
また本記事のほか、FASの転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.Big4系FASの年収ランキング
Big4系FASとは、世界の最大手会計ファーム(Big4)のグループ会社で、財務・会計に関するアドバイスを行う企業のことを指します。
4社の平均年収はおよそ1,000万円がベースになっており、ランキングにすると以下のとおりです。
- KPMGフィナンシャルアドバイザリーサービス:約1,200万円
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング:約1,000~1,200万円
- デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー:約1,000~1,100万円
- PwCアドバイザリー:約900~1,000万円
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)KPMGフィナンシャルアドバイザリーサービス
約1,200万円
設立 | 2001年 |
資本金 | 非公開 |
人員数 | 非公開 |
主事務所所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番5号大手町フィナンシャルシティ ノースタワー |
平均年収 | 約1,200万円 |
公式HP | https://home.kpmg/jp/ja/home/about/fas.html |
KPMGフィナンシャルアドバイザリーサービスは、KPGMのメンバーファームで、M&A・事業再生アドバイザリーや経営戦略コンサルティング、不正調査等を提供しています。
アドバイザリー業務の売上高も4社の中で抜きんでており、平均年収も約1,200万円と非常に高い水準です。
事業再生部門などクライアントファーストの業務も多いため、全体として激務であることは想定しておくべきでしょう。
ただし、働く部門やパートナーによっては、働き方改革の推進が進んでいる・裁量労働制で業務時間を調整しやすいなど、ワークライフバランスを保ちやすい環境もあります。
(2)EYストラテジー・アンド・コンサルティング
設立 | 2020年10月 |
資本金 | 4億5,000万円 |
人員数 | 2,777名(2022年3月1日時点) |
主事務所所在地 | 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー |
平均年収 | 約1,000~1,200万円 |
公式HP | https://www.ey.com/ja_jp |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の日本のメンバーファームで、ConsultingとStrategy&Transactionの2つのサービスラインを有しています。
グローバル案件やITを活用したサービスに強みを持ち、平均年収も約1,000~1,200万円と高い水準を誇っています。
平均の残業時間は30~40時間程度とやや少なめですが、プロジェクトやチームによっては朝から晩まで働き詰めというところもあるでしょう。
他のBig4系などコンサルからの転職者が増え、コンサル色が濃くなりつつある一方で、風通しがよく穏やかな人が多いといわれています。
(3)デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー
設立 | 2001年6月 |
資本金 | 3億円(2021年5月末日現在) |
人員数 | 1,135名(2021年5月末日現在) |
主事務所所在地 | 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング |
平均年収 | 約1,000~1,100万円 |
公式HP | https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/dtfa/deloitte-tohmatsu-financial-advisory.html |
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーは、Deloitte(デロイト)の日本のメンバーファームで、M&A・事業再生・不正調査・イノベーションに関連したサービスを提供しています。
外資系・日系の投資銀行や会計事務所などからの転職者も多く、平均年収は約1,000~1,100万円です。
M&A関連のサービスを主軸としており、会社全体として激務ではありますが、優秀なクライアントや同僚のもと成長できる環境だといえるでしょう。
日系企業ほど人材の教育の体制は整っていませんが、経験を通して能動的にスキルを身に付けたいという方にぴったりです。
(4)PwCアドバイザリー
設立 | 1999年6月15日 ※2016年2月29日組織変更 |
資本金 | 非公開 |
人員数 | 約760名(2021年6月30日現在) |
主事務所所在地 | 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング |
平均年収 | 約900~1,000万円 |
公式HP | https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/deal-advisory.html |
PwCアドバイザリーは、PwCグループの日本のメンバーファームで、特に事業再生の分野に強みを持っています。
Big4系FASでは唯一、女性が社長を務めており、若手や女性の働きやすさにも定評がある会社です。
平均年収は約900~1,000万円と競合他社と比べるとやや低い水準ですが、働き方改革が推進されていて若手は残業が少ないなど嬉しい面も多くあります。
無駄に長時間働くのではなく効率よく成果を出すことが重視されているため、十分成長に適した環境といえるでしょう。
2.独立系FASの年収ランキング
FASの中には、メンバーファームを持たない独立系の企業も多数存在しています。
全体としてみると、やはりBig4系の方が年収が高いと言えますが、一部FASでBig4系と同等もしくはそれ以上の年収を得られるところがあります。
ここでは、代表的な独立系FASを3社ご紹介します。
- GCA FAS:約2,000万円~
- フロンティアマネジメント:約1,200~1,400万円
- 山田コンサルティング:約800万円
それぞれ順に説明します。
(1)GCA FAS
設立 | 2004年 4月 |
資本金 | 非公開 |
人員数 | 446名(2019年12月31日現在) |
主事務所所在地 | 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内30階 |
平均年収 | 約2,000万~ |
公式HP | https://www.gcaglobal.co.jp/ |
GCAは、グローバルに活動を展開する、完全独立型のM&Aアドバイザリーファームです。
多くの大手上場企業を顧客に持ち、優秀なM&Aファイナンシャルアドバイザーを有していることで、高い利益率を誇っています。
平均年収は推定でおよそ2,000万円以上にのぼると言われており、日本ではトップクラスの水準です。
多額の金額を扱うプレッシャーに耐えながら膨大な業務量をこなす必要があるため、ワークライフバランスは保ちにくいかもしれません。
ただし、優秀な人材が勢ぞろいしており、高い報酬を得ながらスピーディに成長できる環境といえるでしょう。
(2)フロンティアマネジメント
設立 | 2007年1月4日 |
資本金 | 1億6,300万円 |
人員数 | 285名(グループ連結)(2022年3月末日現在) |
主事務所所在地 | 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー41階 |
平均年収 | 約1,200~1,400万円 |
公式HP | https://www.frontier-mgmt.com/ |
フロンティアマネジメントは、さまざまな事業再生を手掛けてきた産業再生機構の出身者により設立された会社です。
中途入社がメインの少数精鋭メンバーで運営されており、平均年収は1,200~1,400万円と非常に高い水準を誇っています。
日系コンサルのような雰囲気で実力主義のため、若手であっても裁量をもってバリバリ活躍し、高い年収を狙うことが可能です。
職種や役職によっては、長時間労働が常態化しているところもあるため、体力・精神的タフさが求められるでしょう。
(3)山田コンサルティング
設立 | 1989年7月10日 |
資本金 | 15億9,953万円 |
人員数 | 923名(臨時従業員含む。2021年4月1日現在) |
主事務所所在地 | 東京都千代田区丸の内1丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館10階(受付9階) |
平均年収 | 約800万円 |
公式HP | https://www.yamada-cg.co.jp/ |
山田コンサルティンググループは、経営・不動産コンサル、投資・ファンド事業などを行う日本の会社です。
特に事業継承・事業再生の分野のコンサルティングに強く、平均年収は約800万円と中堅ながらに高い水準を誇ります。
働き方改革の推進がなされており、平均残業時間は40時間と業界では比較的少ないと言えるでしょう。
古き良き日本企業の文化に賛否はありますが、福利厚生が手厚く、さまざまな補助や制度を利用できるといった嬉しい面もあります。
3.FASのポジション別年収
続いて、FASのポジション別の概要・平均年収について説明します。
FASは年齢や勤続年数、能力などで大きく5つのポジションに分かれており、キャリアが上がるほどに平均年収は上がっていきます。
ポジション | 平均年収 |
アソシエイト | 約700~900万円 |
シニアアソシエイト | 約1,000~1,400万円 |
ディレクター | 約1,300~1,800万円 |
マネージャー | 約1,600~2,200万円 |
パートナー | 約2,000万円~ |
20代~30代の転職ではアソシエイトからスタートすることが多く、主にコンサルタントとしての役割や基礎知識を習得し、一定の業務を独力でこなすことを求められます。
早い人は2年ほどで1つ上のシニアアソシエイトに昇格し、プロジェクトをこなしながら専門性を磨く中で後輩指導なども行っていきます。
マネジメント能力や業務遂行能力が認められると、3~5年ほどでマネージャー昇進のチャンスが訪れるでしょう。
しかし、マネージャーへの昇進は狭き門といわれるため、昇進を待たずしてファームを離れる人もいます。
その険しい道を乗り越えた先にある、ファームの経営やプロジェクトの責任者を担うパートナーへの昇格はさらに狭き門です。
早い人でおよそ3~5年程度でマネージャーからステップアップすることが多いでしょう。
ここまで挙げられてきたFASの代表企業のほか、転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
4.FASへの転職において有利になるスキル
FASへの転職を目指す方に向け、転職前に有しておくと有利になるスキルをご紹介します。
- 会計系の専門知識
- 語学力
- マネジメント経験
それぞれ説明していきます。
(1)会計系の専門知識
FASは、クライアントに対して会計・財務に関する助言を行うサービスのため、会計系の専門知識が必須です。
Big4系をはじめとしたFASには、公認会計士や税理士の資格を有した人材が多数集まっています。
公認会計士などの国家資格の保有者や、金融機関の出身者など、会計系の専門知識がある場合は転職に有利だといえるでしょう。
(2)語学力
大手FASに限らず、近年はグローバルに業務を展開するファームが増加しています。
また、クライアントが日系企業であっても、海外進出のサポートなど海外に関わる業務は今後も増える見込みです。
会計知識に加えて、英語を中心とした語学のスキルがあると歓迎されます。
目安ですが、日系のファームであればTOEIC700点以上、外資系ファームであればTOEIC800点以上が評価対象ラインと言えるでしょう。
(3)マネジメント経験
20~30代前半の転職であれば、マネジメント経験を重視されることは少ないですが、30~40代の場合はマネジメントスキルも問われるでしょう。
応募するポジションにもよりますが、年収アップを目指した転職を叶えるなら、FASへの転職前にマネジメントで成果を出しておくと有利といえます。
まとめ
FASは、付加価値の高いサービスを提供し、対価として高い報酬を得られる職業です。
一方で、ハイプッシャーに耐えながら常に高品質なサービスの提供が求められる厳しい世界でもあります。
刺激にあふれた環境で圧倒的成長をめざす方は、ぜひ事前の準備を徹底して転職を成功させてください。
FASへの転職に向けて、より詳しく知っておきたい、転職に成功したいという方はこちらをご覧ください。
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