FASに第二新卒で転職は可能?転職後のキャリアパスなども紹介
「今の会社に入社して間もないが、第二新卒としてFASに挑戦することは可能だろうか」
「かつての目標だったFASに、第二新卒として入社したい!」
このように、新卒で就職をして間もないけれどFASへの転職を検討している方は少なくないでしょう。
FASは高度な専門知識やビジネススキルを要し、一般的に転職の難易度が高いといわれる職種です。
しかし最近では、しっかりと研修制度などを整えたうえで新卒や第二新卒などの若い世代を迎え入れているFASもあります。
今回は、FASに第二新卒として転職することは可能なのか、また転職後のキャリアや転職活動におけるポイントをご紹介します。
第二新卒でFASへの転職を目指す方は、今後のキャリアビジョンの形成および転職活動の成功にお役立てください。
本記事の前に、FASの業務内容や身につけられるスキルなど基本情報について、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.FASへ第二新卒で転職は可能か
FASは会計や財務のスペシャリストとして、さまざまな業界のクライアントに助言を行う企業です。
専門知識やスキルを有していることが理想的ですが、第二新卒などの若い世代をポテンシャルを重視したうえで採用する企業もあります。
とはいえ、まったくの未経験者が簡単に足を踏み入れられる世界ではないのも事実です。
ここでは、FASの採用動向や求める人材についてご紹介します。
- FASの採用動向
- FASの求める人材
それでは詳しくご説明していきます。
(1)FASの採用動向
コロナ禍で今まで見えなかった社会や企業の問題が顕在化したことから、社会ではプロフェッショナルによるコンサルティングを望む企業が増えています。
このようなクライアントからのニーズを受けてFASも積極的な人材の採用を行っており、特にコロナ禍の直近数年において採用人数枠は増加しています。
20~30代前半の中途採用枠も即戦力として求められており、公認会計士などの資格を持つ第二新卒の方にとってチャンスだと言えるでしょう。
また一定水準の会計・財務知識やビジネススキルを有している場合、未経験であっても採用の可能性はあります。
企業により採用の積極性や求める人材は異なるため、うまくマッチングが図れる企業を探しましょう。
(2)FASが求める人材
基本的なFASが求める人材像については、以下のとおりです。
- 4年制大学卒以上の学歴を有している
- 金融・会計・財務に関する知識または業務経験がある
- エクセル、ワード、パワーポイントなどに関する一定以上のパソコンスキルがある
- 論理的思考力や高いコミュニケーション能力を有している
- 長時間労働に耐えうる精神力や体力を持ち合わせている
採用を行うFASも、第二新卒に対して高度な知識や豊富な経験を備えた人材を期待することはありません。
Big4系の大手FASでも、第二新卒に対してはある程度のポテンシャルを重視し、研修を通して成長を後押しする前提での採用を行っています。
ただし金融やコンサル、経営企画の業務の経験や、少なくとも簿記2級レベル以上の会計知識など一定以上の経験・スキルが第二新卒にも求められることは事実です。
またFASでは、クライアント企業の将来を左右するような責任ある業務にあたることが多く労働負荷が大きいことが一般的です。
そのようなプレッシャーに耐えうる精神力と体力があるかどうかも、経歴や選考で計られると考えておきましょう。
2.FAS転職後のキャリアパス
では第二新卒としてFASへ転職した後、どのようなキャリアパスをたどることが多いのでしょうか。
ここでは、一般的なFASでのポジションや入社からどのくらいのスピードで昇進していくことが多いのかなどをご紹介します。
- FASでのポジション
- 第二新卒のキャリアパス
それでは詳しく説明していきます。
(1)FASでのポジション
FASにおける主なポジションは、以下のとおりとなっています。
ポジション | 入社からの年数 | 年収 |
アソシエイト | ~2年 | 約700~900万円 |
シニアアソシエイト | 約2~5年 | 約1,000~1,400万円 |
ディレクター | 約3~10年 | 約1,300~1,800万円 |
マネージャー | 約5~15年 | 約1,600~2,200万円 |
パートナー | 約7年~ | 約2,000万円~ |
第二新卒としてFASに入社する場合、多くはアソシエイトのポジションからスタートします。
アソシエイトは主にコンサルタントとしての役割・知識を習得したうえで、基本の業務を自力でこなすことを求められます。
早ければ2年ほどでシニアアソシエイトに昇格し、プロジェクトをこなしつつ専門性を高めることを期待されるでしょう。
後輩指導なども手掛けつつマネジメント能力や業務の遂行能力が認められると、入社から約5~15年ほどでマネージャーに昇格します。
その後はポジションにつける人数もかなり限られるため相当な狭き門となりますが、早い人で入社7年ほどでパートナーに就任します。
(2)第二新卒のキャリアパス
第二新卒でアソシエイトとしてFASに入社し順調に昇進していった場合、最速5年ほどで管理職までたどり着けるでしょう。
より専門的なスキルや知識を身に付けたら、給与水準や採用難度がさらに高い他のコンサルファームやPEファンドなどへの道も開けます。
コンサルファームでは、財務・税務・法務的観点から企業の状況や価値を分析した経験や、それらを踏まえて企業のコンサルティングを行った経験がフルに活かされるでしょう。
PEファンドは、企業に投資をして企業価値を高めてから売却などでファイナンシャルリターンを得るビジネスです。
直接FASでの業務が活きるとは限りませんが、あらゆる角度から外部の企業の状況や価値を分析し評価するバリュエーションなどの経験は、少なからずキャリアにプラスとなります。
FASでは若い世代であっても能力やスキルに応じてステップアップが可能なため、自分がどのようなキャリアパスをたどりたいかを入社前にイメージしておくとよいでしょう。
また、FASでの活かせるスキルや経験などについて、より詳しく知っておきたいという方はこちらもご覧ください。
3.第二新卒でFASへの転職を成功させるポイント
第二新卒でFASへ転職することは可能ですが、求められるレベルに達していなければ非常に難易度が高いことをお伝えしました。
そのような中でもFASへの転職を成功させたいという方に、ぜひ意識してほしいポイントを3つご紹介します。
- 転職の目的をしっかり持つ
- 現時点での自分のスキルを洗い出す
- FAS業界に強い転職エージェントを活用する
それでは詳しく説明していきます。
(1)転職の目的をしっかりと持つ
いかなる転職においても、目的をまずしっかりと持つことは重要です。
特に転職難易度の高いFASを目指す場合は、希望する企業の担当者を納得させ入社後のモチベーションを高く保つために、目的を明確にしておくことをおすすめします。
第二新卒で転職をする場合、目的を考えるにあたって注意すべきポイントは以下の3つです。
- 前回の就職活動時と現在の考え方がどう変わったのかを明確にする
- 現在の会社ではなくFASでなければ実現できないことは何かを明確にする
- FASで自分が発揮できる力ややりたいことを具体的に示す
第二新卒として転職をする場合、「前職で問題や不満があったのでは?」とネガティブに捉えられがちです。
希望する企業に前向きに採用を検討してもらうために、具体的かつ現実的な転職の目的を語れるようにしておきましょう。
(2)現時点での自分のスキルを洗い出す
FASの業務は、企業の価値を財務・会計面から紐解いて査定したり業績の悪化している事業を1から再生したりと、深い知識・スキルを必要とするものばかりです。
第二新卒の採用においては、これから貪欲に学んでいくという姿勢も重視されますが、現時点でどのくらいの知識・スキルがあるかも評価対象になります。
現在すでにFASに近い業務を行っている場合は、今の会社で学び培った知識・スキルを得意分野として、しっかりPRできるよう準備しておきましょう。
もし会計・財務については全くの素人であるという場合は、最低でも簿記2級以上を取得するなど事前に対策を入念に練る必要があります。
自分は知識・スキル面でまずスタートラインに立てているかどうかを、転職前に改めて考えてみるとよいでしょう。
(3)FAS業界に強い転職エージェントを活用する
情報収集が大得意であらゆる人脈を持つような特殊な場合を除き、転職活動を独力で行うことはおすすめしません。
企業は基本的に、転職エージェントを通して採用活動を行います。
直接行った方がコストは少なく済みますが、プロの転職エージェントの目を事前に通すことでより魅力的な人材と出会える可能性が高いためです。
ゆえにFASへの転職を考えている場合は、FAS業界に精通した転職エージェントを活用するとよいでしょう。
転職エージェントを活用するメリットとしては、以下のとおりです。
- 非公開求人を入手できる
- 各企業の採用動向など内部情報が入手できる
- 選考におけるサポートなどを無料で受けられる
FAS業界については、第二新卒を積極的に募集している企業とそうでない企業がありその見極めは素人には困難です。
第二新卒でFASに転職したい場合は特に、転職エージェントの利用がおすすめと言えるでしょう。
まとめ
FASは新卒・中途を問わず、入社が非常に難しい業界の1つです。
しかしその分、入社してから得られる成長の機会や年収は多くやりがいのある魅力的な職業だと言えるでしょう。
FASに第二新卒で転職したいという強い思いを持ち、しっかりと事前の対策を行って転職活動にのぞめば可能性は十分にあります。
現段階での自分の実力と今後のポテンシャルをしっかりとアピールし、ぜひ希望の企業への転職を成功させてくださいね。
本記事を読み、FASへの転職に向け、転職事情や転職成功のコツなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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