法人営業からの人気の転職先は?転職動向と転職時のポイント3つ
「法人営業から転職する場合はどの職種・業界が良い?」
「法人営業の転職で気を付ける点は?」
インセンティブにより高額な年収を期待でき、様々なスキルも身につく法人営業の仕事ですが、仕事の不満や将来のキャリアを考えて転職を考える人は少なくありません。
特に、法人営業経験者は転職市場でも評価が高くニーズも高いため、転職を考えているなら早めのスタートが重要です。
本記事では、法人営業職からの転職でおすすめの業界や転職時の注意点を、転職動向や転職時の強力なアピールポイントとなるスキルと合わせて紹介します。
本記事を読めば、法人営業からの転職を前向きに検討できるようになることでしょう。
1.法人営業の転職動向
まず、法人営業の転職動向について解説します。
- 法人営業から転職を考える理由
- 法人営業の転職市場での評価
法人営業からの転職を考える人は少なくありません。
その理由や転職市場での評価を見てみましょう。
(1)法人営業から転職を考える理由
インセンティブ制のある法人営業は実力次第で高額な年収を得られる魅力的な仕事ですが、以下の理由で転職を考える人も少なくありません。
- 会社のノルマの厳しさ
- 商談成立の確率の低さ
- 顧客と自社の両方の調整の難しさ
- プレゼン・コンペなどのストレス
- 接待や御用聞きなどのストレス
- ネクストキャリア
ハードな仕事である法人営業の仕事に対する不満等から転職を考える人も少なくありませんが、最近増えているのが、将来のキャリアプラン形成のために転職活動を始める人です。
法人営業の人が転職を考える理由については、こちらの記事をご覧ください。
(2)法人営業の転職市場での評価
法人営業経験者に対する転職市場での評価は高いです。
法人営業の仕事は難易度が高い分、ビジネスパーソンに求められる各種スキルが身につきやすく、経営者等の意思決定層との交渉経験も豊富なことからコンサル業界やM&A業界で特に人気があります。
実際、法人営業経験者の転職先は非常に豊富で、法人営業で身につけたポータブルスキルを活かして他業種・他職種に挑戦する人も多いです。
2.法人営業から人気の転職先
法人営業から人気の転職先を解説します。
- 同業他社の営業職
- 事業会社の他職種
- コンサルティングファーム
- M&A業界
法人営業マンは、転職の際にも高く評価され、転職先として豊富な選択肢があるといえるでしょう。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)同業他社の営業職
1つ目の人気の転職先は、同業他社の営業職です。
前職の経験や実績を高く評価してもらうことができ、即戦力としてスムーズに転職先で用いられ活躍できるため、最もオーソドックスな転職先といえます。
また、同業他社であれば希望する条件を汲んだ採用条件で受け入れられやすいのも魅力となっています。
(2)事業会社の他職種
2つ目の人気の転職先は、事業会社の他職種です。
高いコミュニケーション能力を活かして人と関わる人事や労務、提案力や分析力を活かして商品企画やマーケティングなど法人営業で培ったスキルは様々な職種で活用できます。
未経験からのスタートとなるため最初は年収が下がることがほとんどですが、法人営業の時にようなノルマや人間関係のストレスがなく、ワークライフバランスを考えた働き方ができるのが魅力です。
ただし、どの職種でも言えることですが、20代はポテンシャル採用を期待でき、未経験でも転職しやすいのが魅力なので、他業種や他職種へ転職したい場合は早めに行動するのがおすすすめです。
(3)コンサルティングファーム
3つ目の人気の転職先は、コンサルティングファームです。
コンサル業界はコンサルティングニーズの急激な高まりにより人手不足であり、未経験者も積極的に採用しています。
中でも、法人営業経験のある人材への採用ニーズは高く、多くの法人営業経験者がコンサルへと転職をしています。
コンサルの仕事では法人営業で得た各種スキルを活かせるだけでなく、ビジネスパーソンとしての成長機会が多い、インセンティブにより高年収を狙える、その後のキャリア形成に有利など数々のメリットがあることから、法人営業経験者の中でも特に人気の転職先となっています。
(4)M&A業界
4つ目の人気の転職先は、M&A業界です。
現在、コンサルと同じくM&A業界も拡大傾向が続いていることから未経験者も積極的に採用しています。
ただし、M&Aの仕事では、M&Aの相手を見つけ、交渉して、M&A契約を成立させる一連の流れを担うための様々なスキル・知識が必要となるため、全くの未経験者ではなく、ある程度のスキル・知識がある人材が求められています。
その点、法人営業経験者であれば、企業の意思決定層との交渉にも慣れており、分析力やコミュニケーション能力もあるため、M&A業界でも採用ニーズが高いです。
様々な利害関係者も絡んでくる複雑なM&Aを経験することでビジネスパーソンとして大きく成長ができることから、今後のキャリアを考えてハードなM&A業界へチャレンジする人も少なくありません。
3.転職時に役立つ【法人営業で身につくスキル】
次に法人営業経験者の転職時に役立つ【法人営業で身につくスキル】を解説します。
- ロジカルシンキング・資料作成能力・プレゼン能力
- 高いコミュニケーション能力
- 調整能力・交渉力
- 精神的・肉体的なタフさ
- 継続力・持久力
法人営業という難易度の高い仕事をしているうちに様々なスキルが身につきます。
しかも、ビジネスパーソンに求められるスキルばかりであり、転職時の大きなアピールポイントになります。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)ロジカルシンキング・資料作成能力・プレゼン能力
1つ目のスキルは、ロジカルシンキング・資料作成能力・プレゼン能力です。
法人営業では、企業の要望を叶えつつ、企業の戦略や経営方針、企業文化に合わせてメリットや有益性の高い改善策や解決案の提案が成約へのカギとなります。
そのため、経営に関する高い視野や知識、クライアント企業の属する業界や社会の動向など様々な観点からの情報収集と分析力、そこから論理的に展開させていくロジカルシンキングが自然と鍛えられます。
また、法人からの信頼や理解をより深く得られるように、マーケティングやデータなど客観的で説得力のある資料の作成能力や効果的にアピールできるプレゼン能力も高められます。
特にこれらのスキルは、コンサル業界やM&A業界で求められるスキルであり、法人営業経験者であれば有利に転職活動ができるでしょう。
(2)高いコミュニケーション能力
2つ目のスキルは、高いコミュニケーション能力です。
法人営業では、企業や団体の管理職クラスや経営者といった重要なポジションにいる意思決定層と仕事を共にすることが多いです。
どんな年齢・ポジション・思考の人とも良好な関係を築いて信頼を得ることが契約成立への足掛かりとなることも少なくありません。
また、ルート営業では担当する既存顧客と良い関係を維持することが重要です。
法人営業の仕事に就いているうちに、自然と新規の相手や既存の相手とも良い人間関係を構築・維持できる高いコミュニケーション能力が備わります。
人と関わらずにできる仕事はほぼなく、職場の人・取引相手など周囲の人とうまく付き合えるに越したことはありません。
営業で培ったコミュニケーション能力は、転職後も大きな武器となるのは間違いありません。
(3)調整能力・交渉力
3つ目のスキルは、調整能力・交渉力です。
法人営業では、相手の法人の担当者だけでなく、価格や量や納期などについて社内の担当者など多くの人と関わることになることから、社内外で同時にすり合わせていく高い調整能力が備わります。
また、自社利益と顧客利益を無理なく両立させるためのちょうどよい落としどころを見つけるビジネスセンスやバランス感覚、最善の妥協点を探って交渉を繰り返す交渉力も身につきます。
どんな状況でも柔軟に対応できる力はどんなビジネスにおいても必要となります。
転職の際に、調整能力や交渉力など総合的な対応力は高く評価されることでしょう。
(4)精神的・肉体的なタフさ
4つ目のスキルは、精神的・肉体的なタフさです。
法人営業は企業案件のため、企業や役所の休みである土日休みに合わせた休日となっており、休みが取れない・休日が不規則になるなどの営業職に多い問題はそれほど起こりません。
しかし、ノルマ達成や受注のための資料作成、外回り、担当者との関係を密にするための接待、社内での調整やライバル企業との競争(コンペ)などは日常茶飯事であるため、精神的・肉体的なタフさも自然と身につきます。
今の時代、ストレスから仕事で体調を崩す社員も多いため、タフな人材は企業にとっても貴重な存在です。
どんな環境・状況でも常に前向きにポジティブに頑張れるタフさは大きなアピールポイントになるのは間違いありません。
(5)継続力・持久力
5つ目のスキルは、継続力・持久力です。
個人営業と異なり、法人営業は受注に至るまでのプロセスが複雑で、関わる人も多いことから長期化することが多い仕事です。
地道な調査や人脈作りなど下地作りに始まり、細かい交渉を経て、ようやく受注できると思った一歩手前で白紙に戻ってしまうということも珍しくありません。
一度、受注することができれば得られる利益は大きいのですが、それに比例して受注の難易度も高くなるのが法人営業の最大の特徴であり、営業の腕の発揮しどころです。
簡単には成果に繋がらない難しい仕事に携わるうちに、自然と丁寧にコツコツ取り組む継続力や持久力、さらに忍耐力も鍛えられます。
気に入らないことがあるとすぐに辞めてしまう人も多いため、法人営業で鍛えた継続力や持久力はストロングポイントとして高く評価されることでしょう。
4.転職で失敗しないための3つのポイント
法人営業から転職を考えているなら、次の3つのポイントを必ずチェックしておきましょう。
- 転職理由を明確化し優先順位をつける
- スキルの棚卸をしておく
- 年収に加えて待遇面もチェックする
転職を成功させるには下準備が重要です。
次に1つずつ解説していきます。
(1)転職理由を明確化し優先順位をつける
1つ目のポイントは、転職理由を明確化し優先順位をつけることです。
法人営業が転職をする際、まず真っ先にやっておくべきなのが、自身の転職理由の明確化と転職の際に重視する点のリストアップです。
法人営業からなぜ転職を考えたのか、その理由を明確にしないまま転職をしてしまうと、転職先でもまた同じことを繰り返すことになりかねません。
「厳しいノルマがストレスだった」「年収面や待遇面で不満があった」「キャリアを広げたかった」など自分の転職理由を明らかにすれば、自ずと次の転職先選びでチェックすべき点もわかってきます。
さらに、「ノルマがない」「年収が魅力的」「キャリア形成に役立つ」など条件の優先順位をつけることで、候補企業の絞り込みや選択がしやすくなり、効率的な転職活動を行うことができます。
(2)スキルの棚卸をしておく
2つ目のチェックポイントは、自分のスキルの棚卸をしておくことです。
転職の際の商材はいわば自分です。
法人営業の仕事で商材を売るために詳しく商材について調べるように、転職する前に自分のスキルの棚卸をしておけば、書類選考や面接の際に自分の有用性や価値をより効率的にアピールできるようになります。
法人営業経験者は様々な業界・業種の企業から引く手あまたであり、募集要件に『法人営業経験』を掲げている企業も多い理由は、『法人営業経験』が各種ビジネススキルがすでにその人に備わっていることを示す指標の1つとなるためです。
自分の保有するスキルや強み、経歴、どのようなアプローチで営業して成果を上げてきたのかを自ら開示すれば、早期にミスマッチを防ぐことができ、双方にとって有益といえるでしょう。
自分のビジネスパーソンとしての価値を明確化することで正しい選択がしやすくなるため、転職活動をする前に必ずスキルの棚卸等を行っておきましょう。
(3)年収に加えて待遇面もチェックする
3つ目のポイントは、年収に加えて待遇面もチェックすることです。
インセンティブのある法人営業から別の仕事に転職する場合、不満に感じやすいのが年収面です。
インセンティブがないと基本給にプラスされるものが賞与以外にはなくなるため、ついつい年収が高い企業を選んでしまいがちです。
しかし、転職先選びの際に年収を重視しすぎると、激務やブラックな企業を選んでしまうなどで失敗してしまう可能性が高くなってしまうので、業界平均年収やその企業の離職率も調べるようにしましょう。
また、年収以外の点でも、年収の隠れた要素である「福利厚生」も確認が必要です。
住宅手当や家族手当なども含めた「福利厚生」が充実している企業では、年収の数字では表れないメリットや利益が大きいためです。
「福利厚生」が不十分な企業に転職すると、日常の支出が増えて実質の年収が下がることになるだけでなく、ワークライフバランスも取りづらくなります。
また、未知の分野に挑戦する場合は、研修制度やサポートが充実している企業を選ぶことも大事なポイントです。
早期に仕事を覚えてキャッチアップするためには自分の努力も必要ですが、企業側のサポートも欠かせません。
新しい職場で高いモチベーションで働けるよう、転職先企業選びの際には年収以外の部分もしっかり確認しましょう。
まとめ
法人営業は、あらゆる規模の法人を相手にする仕事であり、難易度が高い一方で高い年収ややりがいを感じながら働けるのが魅力です。
しかし、何らかの不満があったり、現在からステップアップして新たなステージで活躍したいと法人営業からの転職を考えているなら、決断は早い方が良いでしょう。
様々なビジネススキルや経験を保有している法人営業マンは、転職市場での評価が高く、人気も高いことから、転職先の選択肢は豊富にあります。
だからこそ、「転職しなければよかった」と後悔をしないように、転職時には3つの注意点に気を付けて企業選びをしましょう。
転職によって自分の天職と思える仕事に就くには、転職のプロである転職エージェントや転職サイトを利用するのもおすすめです。
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