20代で未経験業界への転職は可能?おすすめの業界・職種と転職時の5つのポイントを解説
「20代未経験からの転職先としておすすめの業界・職種は?」
「20代の未経験者が転職を成功させるコツを知りたい」
大学を出てようやく仕事に慣れ始める20代前半、ある程度経験を積んで中堅として活躍を期待され始める20代後半など、20代はビジネスパーソンとしての成長機会を多く得られる時期です。
しかし、20代で今の職場や仕事内容に疑問や不満を抱き、新たな活躍の場を探したいと思っている人もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、20代で未経験業界への転職は可能かどうか、さらに20代未経験でチャレンジしやすいおすすめの業界・職種、転職時の5つのポイントを解説していきます。
「今の仕事のままでいいのか」と迷っている20代のビジネスパーソンの方はぜひご覧ください。
1.20代で未経験業界への転職は可能か
20代は、社会人の様々な世代の中でも最も転職がしやすい年代といわれており、未経験業界への転職も十分可能です。
ただし、20代と一言で言っても、20代前半(~25歳)と20代後半(26歳~)では、多少事情が変わってくることに注意が必要です。
- 20代前半(第二新卒)は引く手あまた
- 20代後半は自分の売り込み方次第
(1)20代前半(第二新卒)は引く手あまた
20代前半は転職市場での需要が高く、未経験の業界への転職を最もしやすい年代と言えます。
20代前半のいわゆる「第二新卒」と言われる世代は、前職の職種やそこでの実績よりも、伸びしろ・ポテンシャルを重視した採用が行われやすいためです。
また、転職先で専門的なスキルや実績を最初から求められることも少ないため、全く関連性のない仕事についていた人にも門戸は広く開かれていることが少なくありません。
「第二新卒」は、社会人経験を数年積んでいるため、一般常識やビジネスマナーなどがある程度身についている人が多く、大学等を卒業したての新卒の人材に費やす教育・実習等にかかる時間や手間、コストをカットできる点が企業側のメリットとして挙げられます。
さらに、年齢的にもチャレンジ意欲や吸収力が高く、成長スピードも速いため、新しい職場や業務になじみやすいと考えられている点も高評価の1つとなっています。
上記の理由により、20代前半の人材に対する企業の採用意欲は高くなっており、未経験業界でも採用されるチャンスが多くなっています。
(2)20代後半は自分の売り込み方次第
20代後半も、30代・40代と比べると企業からの採用ニーズの高い年代であるのは間違いありません。
ただし、20代前半の転職時と異なり、ポテンシャルに加えて一定程度の即戦力性や、スキル・実績も考慮されることが多くなります。
特に、専門性の高い業界では、前職での実務経験や業務に関連するスキル、実績があるかどうかを重視する企業が増えます。
ただ、新しい環境や仕事の進め方に速やかに適応できる柔軟性は20代後半でも十分にありますし、どの企業も「できれば20代の人材を確保したい」と考えているため、「未経験者OK」を掲げている企業や、持っているスキルを活かせる業界であれば十分に転職は可能といえるでしょう。
2.【20代からの転職】未経験者にもおすすめの業界・職種
20代の転職におすすめの業界・職種を解説します。
どんな仕事にもチャレンジできますが、特に以下の業界・職種は、20代の若さと吸収力、そしてパワーを活かして活躍しやすい業界・職種ばかりです。
- 法人営業
- コンサルティングファーム
- M&A業界
- 金融業界
転職を考えているけれど、どの業界・職種をえらえば良いかわからないとお悩みの方はぜひご覧ください。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)法人営業
1つ目におすすめなのが、法人営業です。
法人営業とは、企業・団体を相手にモノやサービスを売る仕事です。
一般的に、営業職は資格やスキルを重視されないため、未経験者もチャレンジしやすいといえるでしょう。
法人営業への転職時に特に重視されるのが、コミュニケーション能力です。
取引先企業の担当者に自社の商品やサービスを売り込むためには、自社商材の理解と合わせて、良好な人間関係を築くことが第一のハードルといえます。
そのため、コミュニケーション能力の高い人に対する企業側の評価は高く、有利に転職を進めることができます。
また、営業の仕事で身につけたノウハウやスキルや経験は、他業界・他職種でも評価されることが多いです。
未経験からでも入りやすく、さらに今後のキャリアの選択肢も広げられる営業職は、どこででも評価されるスキルや職歴を付けたい人にぴったりの仕事といえます。
(2)コンサルティングファーム
2つ目におすすめなのが、コンサルティングファームです。
コンサル業界も、20代であれば職歴や経験や実績や保有資格よりもポテンシャルを重視して採用する傾向が高い業界です。
業界市場も引き続き好況であり、案件の増加に人材が追い付いていないコンサルティングファームも多いため、未経験であっても伸びしろがある20代未経験者の採用ニーズが高くなっています。
コンサルタントというと、仕事内容も高度で専門性が高く難しいイメージがありますが、未経験であっても転職後にファームによる教育やトレーニングで身につけていくことができるので心配ありません。
ただし、コンサルタントには地頭の良さや論理的思考力、様々なタイプの経営者層とわたりあえるコミュニケーションスキルなどが不可欠であるため、これらに自信がある人はチャレンジしてみることをおすすめします。
さらに、コンサルタントの仕事は高年収を得られるだけでなく、経営に関する知見やコミュニケーションスキル、プレゼン能力なども磨くことができるため、今後のキャリア形成にも大いに役立ちます。
ビジネスパーソンとして成長機会に恵まれた業界のため、自身の価値を高めていきたい、幅や可能性を広げていきたいという人におすすめです。
(3)M&A業界
3つ目におすすめなのが、M&A業界です。
M&A業界は、事業継承問題を抱える企業の増加や、大企業・中堅企業のビジネスの選択と集中、スタートアップ・ベンチャー企業の増加、国の積極的な支援などもあり、2022年にはM&A案件が過去最高の4,304件になるなどM&Aマーケットの拡大傾向がここ数年続いています。
それを受けて、M&A業界では、既存のM&A会社に加えて次々に新しい企業も参入していることもあり、優秀な人材を経験・未経験を問わず積極的に採用する企業が増えています。
M&Aに必要な知識やスキルは財務・会計・税務など多岐にわたっているため、基本的な関連知識や職歴があることが望ましいのですが、将来性を見込んで専門知識のない若手をポテンシャル採用する企業も少なくありません。
また、コンサルと同じく企業の経営や財務・会計に深く関わるM&Aの仕事で身につけたスキルや経験は、他業界でも高く評価されるものです。
M&Aに興味がある人だけでなく、企業の経営等に興味のある人におすすめです。
(4)金融業界
4つ目におすすめなのが、金融業界です。
金融に関連する仕事はお金に関する専門職であるため、未経験からの転職は難しい傾向があるのは事実です。
しかし、20代のうちでは経験よりもこれからのポテンシャルを評価されて採用されるケースも少なくありません。
金融業界に未経験で転職した場合、覚えなければならない知識も多いですが、比較的年収は安定しているため、計画的にライフプランを設計したい人にとっては働きやすい業界といえるでしょう。
また、金融業界出身者は、お金のプロとして他業界からの評価も高いため、その後のキャリア形成時にも職歴が大いに役立つのもメリットです。
3.未経験業界への転職時のポイント5つ
最後に、未経験業界へ転職する際のポイントを5つ解説します。
- 転職理由がネガティブになりすぎないようにする
- キャリアビジョンを明確に持っておく
- 未経験での転職は給与が下がるケースもある
- 資格取得も考慮に入れておく
- 転職エージェントを利用する
この5つのポイントをおさえておくことで、満足のいく転職がしやすくなります。
(1)転職理由がネガティブになりすぎないようにする
1つ目のポイントは、転職理由がネガティブになりすぎないようにすることです。
20代の転職では、転職理由について「人間関係が悪かった」「給料が低かった」などネガティブな理由になってしまいがちです。
しかし、不満を抱えた人材よりも、「こういうことがしたい」「チャレンジしたい」とポジティブで前向きに考えて転職をする人材のほうが、担当者に良い印象を持たれるのは当然です。
ネガティブな理由が転職を考える大きな原因だったとしても、その中に隠れているポジティブな要素をくみ出し、「自分のスキルの幅を広げたかった」「社会貢献性の高い仕事で頑張ってみたい」など前向きな理由に転換して転職活動に臨むようにしましょう。
(2)キャリアビジョンを明確に持っておく
2つ目のポイントは、キャリアビジョンを明確に持っておくことです。
20代で初めての転職をする場合、とにかく転職を成功させることを目的にしたり、仕事内容やその企業の社風などを深く調べずに、給与・待遇・企業のネームバリューなどに重点を置いて会社選びをしてしまうことも少なくありません。
しかし、20代の転職で重要なのは、目先のことではなく、自分のこれから数十年と続くビジネスパーソンとしての長い人生を考えた上で、最適な選択をしていくことです。
例えば、将来的に起業を考えているなら、経営に深く関わることができるコンサル業界で様々な経験者と関わりながら経営の知識と経験を積む、金融のプロフェッショナルを目指すのなら、金融業界で資格取得に励みながら経験を積むなど、目標を設定した上での選択と努力が重要です。
この点を明確にしておかないと、転職先企業とのミスマッチにより、転職した先で仕事を長く続けられず、スキルや経験を積む前にまた転職をすることになりかねません。
20代のうちに転職を繰り返していると、いわゆる短期間のうちに繰り返し転職する「ジョブホッパー」として企業から警戒されて、転職のハードルが上がってしまうリスクもあります。
色々チャレンジしたいと積極的に転職するのは控え、倒産などの会社都合の場合は除き、目安としては20代で転職回数は3回以内程度に抑えておきましょう。
(3)未経験での転職は給与が下がるケースもある
3つ目のポイントは、未経験での転職は給与が下がるケースもあることです。
同業種・同職種での転職の場合は即戦力としてすぐに活躍しやすい環境にあるため転職で年収がアップすることが多いのですが、20代で未経験の業種・職種へ転職する場合は、新卒と同じ扱い・待遇となり、年収が下がるケースもあります。
しかし、年収が仮に下がったとしても、新しい職場でチャンスをものにすれば、前職の給与を越えることは難しくありません。
重要なのは、自分のビジョンや適性・スキルとマッチすることであるため、目先の年収を重視しすぎないようにしましょう。
(4)資格取得も考慮に入れておく
4つ目のポイントは、資格取得も考慮に入れておくことです。
未経験職種への転職の場合、関連する資格があった方が有利に働く可能性は高いと言えるでしょう。
特に20代後半での転職では、20代の持つポテンシャルと社会人経験で獲得したスキルの双方が求められます。
未経験であればなおさら、業務に関連する資格を持っていることで「経験はなくても即戦力になりやすい人材」と高く評価される可能性が高いです。
また、資格があることで、新しい職場で仕事の内容や手順を理解しやすくなり、業務も俯瞰して全体像を把握しやすくなるため、新たなキャリアをスタートさせやすくなるというメリットもあります。
転職を考え始めたら、希望する業界で必要な資格等を事前に調べて、対策をとっておくとよいでしょう。
(5)転職エージェントを利用する
5つ目のポイントは、転職エージェントを利用することです。
日本社会全体で未経験者を積極的に採用している業界・会社も増えているため、未経験であることが20代の転職時に大きなネックになることはありません。
ただし、ニーズが高いからといって、むやみやたらにいろいろな企業を受けても、転職を成功させることは難しいです。
また、ポテンシャル採用されやすい20代前半、前職の実績やスキルも重視され始める20代後半では、それぞれ転職のアプローチ方法も異なるため、転職支援実績の豊富な転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントでは、キャリアビジョンや希望条件を考慮した上で最適な転職先を選びなど様々な支援を受けられます。
初めての転職であればなおさら、満足のいく転職をするためのサポーターとして活用をおすすめします。
まとめ
社会人の各年代の中でも、20代は最も企業からの採用ニーズが高く、転職を成功させやすい年代です。
特に、20代前半は多くの企業からの人気も高く、未経験であってもポテンシャル採用されやすいため、全く未経験の業界であっても、興味があるなら積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
また、20代後半も、前職で培ったスキルや経験・実績との親和性の高い業界を目指すことで、未経験からの転職を成功させることが可能です。
ぜひ、今よりも良い職場や自分を活かせる仕事で働きたいと転職を考えている20代の方は、転職エージェントも活用して、満足のいく転職を成功させましょう。
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