【M&A業界の中途採用増加?】事業承継のM&Aの転職候補企業を紹介
「近年M&Aによる事業承継が増えていると聞き、事業承継M&Aを行っている会社へ転職したい」
「事業承継についての基本的なことや事業承継M&Aを事業としている会社はどこか知りたい」
日本の経済を支える中小企業は2022年現在、世代交代期を迎えています。
後継者問題に直面している中、事業を継続していく打開策として、M&Aを積極的に活用する企業も増えてきました。
今回は、増え続ける事業承継M&Aを行う会社への転職を検討している人に向けて、事業承継についての情報や、中小企業の現状、さらに事業承継M&Aを行っている企業を4社紹介します。
事業承継をメインにM&Aを行いたい人は、ぜひ参考にしてください。
本記事を読む前に、M&A仲介業界の基本情報を詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.事業承継について
中小企業の中には、古くから息子や孫など、創業者の血を引く人を相手に事業承継が行われていたという企業が多くあります。
しかし近年の少子化による後継者の先細りから、親族への承継では会社の存続が難しい企業が増えてきました。
まずは、事業承継がどのようなものなのかについて説明していきます。
- 事業承継の方法
- 事業承継で引き継ぐもの
以下で詳しく見ていきましょう。
(1)事業承継の方法
事業承継は主に3つの方法で行われています。
- 親族への承継
- 役職員への承継
- 第三者への承継
これまで多く行われていた、親族やいままで役職員として働いてくれていた人への事業承継は、一般的に内外の人から受け入れられやすく、経営の一体性を保ちやすいというメリットがあります。
対して第三者への承継となると、従業員の雇用の継続や価格等の条件を満たす人を経営者自身の力で見つけるのは、かなりの労力が必要です。
事業承継に関わるM&Aを業務としている会社は、この中の「第三者への承継」を考えている企業と、企業や事業を購入して新規事業や既存事業の拡大を考えている企業の間に立ち、双方の納得する条件でM&Aを成立させる役割を業務としています。
(2)事業承継で引き継ぐもの
事業承継とは単に経営者の交代ではなく、あらゆる経営資源を引き継ぐ必要があります。
- 事業
- 財産
- 無形財産
具体的にお伝えすると、事業とは経営権のこと、財産とは株式や、現金預金、有価証券などの非事業用資産のこと、無形財産とは特許やブランド、ノウハウを指します。
これらをM&Aで承継する場合、各要素を見える化し、第三者の目にもどのような経営資源があるかわかるよう、整理しておくことが必要でしょう。
さらに重要なポイントとして、事業承継とは「経営者の想い」を引き継ぐことも大切となります。
経営者の想いを引き継がず次の事業者が好き勝手に事業を引き継ぐとなってしまうと、これまでの従業員と取引先との関係に影響し、大量に従業員が辞めてしまったり、取引が継続できなくなったりする可能性もでてくるでしょう。
この点については事業承継のM&Aを行う業者が従業員や取引先に分かりやすく示すよう、意識していく必要があります。
2.中小企業の現状
少子化により事業承継のM&Aが増えていると伝えましたが、その結果、2025年までに平均引退年齢である70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万が後継者未定となる予測が立てられています。
現状を放置してしまうと、中小企業・小規模事業者廃業の急増により、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性があるようです。
これらの状況の中でM&Aによる事業承継が注目されており、下の表からもわかる通り、事業承継M&Aは2019年には一度前年よりダウンしていえるものの、2014年から事業承継M&Aの成約件数は、右肩上がりに増えています。
事業承継に関するM&Aは、これからさらにニーズが高まる業界であるといえるでしょう。
【事業承継M&A件数推移】
年 | 事業承継M&A成約件数 |
2014年 | 235件 |
2015年 | 265件 |
2016年 | 299件 |
2017年 | 321件 |
2018年 | 544件 |
2019年 | 431件 |
3.事業承継M&Aを行っている企業
ここまで読んで、中小企業の存続の危機に役に立ちたいと、事業承継のM&Aを行いたいと思った人もいることでしょう。
しかし事業継承のM&Aを行いたい場合、どこでどのようにすれば良いのか分からない人も多いと思います。
実際に事業承継M&Aを行っている企業を4社紹介しますので、ぜひ転職活動の参考にしてください。
- 株式会社日本M&Aセンター
- 株式会社M&A総合研究所
- M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
- ユニヴィスグループ
以下で紹介します。
(1)株式会社日本M&Aセンター
会社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
設立 | 2021年4月1日 (1991年4月25日 創業) |
資本金 | 37億円 |
従業員数 | 972名 (2022年3月末時点) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉃鋼ビルディング 24階 |
公式HP | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
株式会社日本M&Aセンターとは1991年に創業された会社で、2022年3月末時点で972名の社員を抱える大きな企業です。
創業以来累計7,000件を超えるM&Aを行っている実績と経験が強みとなっており、実際に見てみると買収・事業承継のM&A案件は1,400件を超える企業が登録されています。
日本M&Aセンターは特に事業承継のM&Aを得意としており、300名以上のコンサルタントが業界最大規模のM&Aネットワークを利用して最適なマッチングを行う点が特徴です。
M&A仲介会社の中でも中途採用を積極的に行っており、特に前職で法人相手に営業を行っていた人や、銀行や証券会社などの金融業界や、会計士や税理士として活躍していた人に門戸が広く開かれています。
(2)株式会社M&A総合研究所
会社名 | 株式会社M&A総合研究所 |
設立 | 2018年10月12日 |
資本金 | 6億1,000万円 |
従業員数 | 88名 (内アドバイザー57名、2022年6月時点) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館17階(受付) |
公式HP | https://masouken.com/ |
通常1年以上の時間が必要なM&Aを、最短3ヶ月のスピード成約を実現している株式会社M&A総合研究所も、事業承継のM&Aに力を入れた会社です。
M&Aが成約するまでにかかる費用は無く、信頼と豊富な実績により、年間の問合せは5,000件以上と、多くのクライアントから注目されているといえるでしょう。
HP上で実際に成約したM&A実績を公開しているページがあり、サービス業や建設業など、多くの業種が後継者不在を理由にM&Aという手段を選んでいるのがわかります。
前職では銀行、証券会社、外資系コンサルティングファームで活躍してきた人たちの採用がよく行われているようですので、金融業界で経験を積んだ人は転職成功の可能性がありそうです。
今後も案件数の増加が予想されているため、事業承継M&Aでしっかりと稼いでいきたいと望む人は、ぜひ株式会社M&A総合研究所への転職を検討すると良いでしょう。
(3)M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
会社名 | M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
設立 | 2005年(平成17年)10月 |
資本金 | 28億円 |
従業員数 | (連結)217名 (単体)145名 (2022年6月30日現在) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 グラントウキョウノースタワー38階 |
公式HP | https://www.ma-cp.com/ |
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社はM&A業界の中でもトップを争う成果主義の会社で、専任の担当コンサルタントを窓口とし、各チームと連携を取りながら業務を行うため、タフな仕事ではありますが、もらえる成功報酬が非常に高い会社です。
こちらもHP上の成約実績を見てみると、事業承継を目的としたM&Aの案件が非常に多く掲載されており、調剤薬局やリース業、イベント企画・設営など、幅広い業種の方の意向に沿った方法で仕事を進めているのがよく分かるでしょう。
コンサルタント自ら直接営業を行い、案件を獲得する営業方法を採用していますので、前職では法人を中心に営業をして実績を残してきた人が転職を成功させています。
M&Aキャピタルパートナーズでは新卒採用を行わず、中途採用のみを行っている点が大きな特徴といえるでしょう。
平均年収が約430万円である30代の人であっても、成果を挙げれば年収3,000万円を超えることも夢ではないため、ハードな仕事をこなした報酬を確実に手にしたいと考える人は、ぜひM&Aキャピタルパートナーズを志望してみてください。
そのほか、M&A仲介業界の同業他社についてなど、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
(4)ユニヴィスグループ
会社名 | ユニヴィスグループ |
設立 | 2014年 |
資本金 | 非公開 |
従業員数 | 98名 |
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門3-8-8 NTT虎ノ門ビル6階 |
公式HP | https://univis.co.jp/ |
ユニヴィスグループは2014年に設立し、「M&A」「事業投資」「コンサルティング」の3つを一体として提供しています。
本来M&Aの成約にかかる期間は1年以上かかることが多いのですが、こちらは平均で6,5か月で成約することができ、最短で3か月の成約を果たした実績を持っています。
少数精鋭で活動しているため、一人一人のスキルアップが早く実現でき、様々な業務に携わることができます。
また、グループ内には公認会計士や税理士、弁護士なども所属しており、法務面の観点からも手厚いサービスを提供することができます。
M&A業界での経験の有無は問わないので、M&Aの業務に興味のある方は公式採用サイトよりエントリーしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
後継者不足に悩む中小企業にとって、事業承継は深刻な課題のひとつです。
そんな中小企業を救う方法として選ばれている事業承継M&Aに携わりたいと転職を望む人は、事業承継とはなにかについて理解した上で、事業承継を得意とするM&A仲介会社への転職を検討すると良いでしょう。
事業承継は事業や財産、無形財産だけでなく、経営者の想いを引き継いでいくべき大切なものです。
いかにクライアントのために適切な事業継承を行っていくか、これまでの経験やノウハウを活かしていける会社を見つけ出し、転職活動を成功させましょう。
事業承継を含め、M&A仲介業界のキャリアアップや身につけられるスキル、転職事情や転職成功のコツなど、さらに詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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